橋本木工の家具職人について
前回、橋本木工の強い味方である協力工場の皆さんのお話をしました。
本来ならば、まずは橋本木工の家具職人をご紹介すべきですよね。
でも、ご紹介する順番をこの様にしたのには訳があるんです。
橋本木工は、オーダー家具、注文家具、特注店舗什器の製作を専門とする
社員10名の小さな会社です。
そのうち、家具製作を専門に担当する職人は5名。
最高齢は、何と79歳 ベテラン職人の Y さんです。
Y さんは、10代の頃から家具職人一筋です。
橋本木工が創業間もない頃から、60年以上に渡って、一筋なのです。
一体どれほどの、世界でたった一つの家具を生みだして来たのでしょうか!
それだけでも途方もない事なのですが、実は Y さんの本当にすごいところは
職人歴の長さではないんです。
こんなエピソードがあります。
最強の職人軍団である、橋本木工の協力工場の皆さん。
いつも、惚れ惚れするような家具を仕上げてくださいます。
完成した家具を目の前にして、
「・・・キレイですね~!(相変わらず)」
と思わずつぶやくと、
皆さん ちょっと嬉しそうに ちょっと悔しそうに
必ず同じセリフを、ボソっと。
「でも、Y さんはもっとすごいの作るでしょ」
※協力工場さんについて、詳しくはコチラの記事をご覧ください。
そんな、最強の職人軍団が一目も二目も置いているベテラン職人の Y さん。
「技術は見て盗め」
という世代ですが、孫のように若い後輩職人達を前に
昔との違いを感じるのでしょうか。
「常に考えてなくちゃ、ダメなんだよ」
という言葉を口癖に、手取り足取り、日々惜しみなく Y さんの全てを伝授しています。
橋本木工の家具職人は皆、家具工場で働くのが初めてです。
どんな仕事でもそうですが、最初に働いた場所の常識が、そのまま自分の
「当たり前」
になって身体に染み付いて行くことって、多いのではないかと感じます。
私達にとって Y さんの技術や情熱は、追い求めるべき 「当たり前」 の姿。
橋本木工のモットーである、
どこまでも美しく丈夫であることを前提とし、「味わい」のある家具
を製作することも、私達にとっては 「当たり前」 の仕事。
家具職人として、無意識のうちにそんな 「当たり前」 を身体に刻み、
日々世界でたった一つの家具を生みだしている若き職人達。
技術や情熱が若い世代に着々と伝承されていく橋本木工の未来に、
今、とてもワクワクしています。
引き続きお楽しみください。