東京都 Y邸 ~白亜のTVボード~
新築マンション群が並ぶ、穏やかな川辺
60代のY様ご夫妻が住まう一室に、TVボードを製作させていただきました。
窓から差し込む柔らかな日差しに包まれる、白亜のTVボード。
ずっと昔からその場所に佇んでいたかのようにしっくりと馴染んでいます。
左奥からじっとTVボードを見つめているのは、こちらのTVボードを製作した職人のI君。
心を込めて製作した家具が収まった瞬間。何度経験しても、感慨深いです。
※橋本木工では、基本的に1つの家具を、最初から最後まで1人の職人が作り上げます。
その理由はコチラ
今回は、作り手の職人I君と、現場取付専門の職人、2名で取付工事を行いました。
世界でたった一つのTVボード。当然、作り手が世界で一番詳しいんです。
加えて、現場施工に関しては右に出るものがいない取付専門の職人。
取付家具は、作るだけではまだ途中。綺麗に収めて、初めて完成します。
最強コンビで、最高の納品が完了です。
※橋本木工に、取付専門職人がいる理由。詳しくはコチラ
さて、こちらのTVボード
真ん中がオープン棚(2段)のAV機器置き場になっています。
扉を付けるとリモコン操作が届かないため、オープン棚にしました。
棚は、可動式のため高さを自由に調整できます。
その他は、左右対称に大小6つの引出になっています。
自由に間隔を変えられる、間仕切り付きです。
こちらのTVボード。
「左右対称」に、見えますよね・・・?
実は、左右対称なのは外部だけ。
内部構造はちょっと、いや、結構入り組んでいます。
向かって右側(カーテン側)の壁に、コンセントがありました。
TVボードを置くと、ちょうど重なってしまう場所です。
そこで、重なる部分のTVボードを切欠き、家具の内部にはコンセントを使用するための
配線経路を設置しました。
配線経路を作るため、家具内部の横側は2重構造です。
2重構造のうちの内側の板(横断する金具が付いている板)まで切欠いてあるのは、
ここから手を伸ばしてコンセントに差し込むためです。
※家具設置時は橋本木工で配線しましたが、将来お客様が自由に配線を組み替えられる
ようこのような設計にしています。
もう一つ、大きな仕掛けがあります。
こちらのTVボード、幅3メートルを超える大きさです。
下見の時に、必ず搬入経路を確認します。
今回の場合、マンション入り口からお部屋の設置場所まで、経路上完成品を運ぶには
不可能な大きさでした。
そこで、2つに分けて製作し、現場で組み立てる方法を取っています。
さて。
どこで分けてあるのか、分かりますか?
ここなんです。
赤線部分。
分かりやすく、引出を開けてクローズアップします。
接合部分の線が、うっすらと見えますでしょうか。
接合部分の線、実物でもぱっと見では全く分かりません。
良く見ると、うっすら確認できる程度です。
また、2つの家具を接合しているため内側の縦の板も2枚分の厚さです。
もちろん、反対側の縦の板(帆立)は、一枚しか必要ありません。
というわけで、左右の縦の板を隠す引出の蓋の部分、左右の長さが違います。
(下図の矢印)
他にも様々な細工を施してあるのですが・・・細かすぎて長くなりますので今回はこの辺で。
純白で優雅な白鳥も、水面下では必死で水かきをしているかのごとく、白亜のTVボードも見えないところでたくさん頑張っております。