東京都 A邸 ~L型壁面収納家具~
近隣に東京タワーがそびえる都心のマンション
洗練されつつピンと張りつめた雰囲気を想像しがちですが、
実は下町のような人情溢れるご近所付き合いが垣間見られる、
ゆったりと温かな空気の流れる場所でした。
そんな環境の中、ご出産を間近に控えたA様ご夫妻より家具製作のご依頼を頂きました。
赤ちゃんを迎える準備として、リビングに壁面収納家具を設置したいとのご希望でした。
「自分の家じゃないみたい!」
オーダー家具設置直後、A様から頂いたお言葉です。
こうして見ると、家具がずっと前からあったかのようにお部屋に馴染んでいますが、
喜んでいただけて光栄です。
こちらは、家具設置前のお部屋です。
右側の、籠が乗っているカウンターが壁まであるため、家具との絡みを
いかにキレイに製作できるかが職人の腕の見せ所です。
元々あったキッチンカウンターの下にも、収納棚を製作しました。
オーダー家具設置前は、食器棚、PCラック、TV台、収納ボックス・・・
様々な色、形、サイズの家具が並んでいました。
床から天井までの大きなオーダー家具は、
その全てを収納してもまだまだ余裕があります。
A邸の家具、あれ、どこかで見たような・・・?と思われた方。ありがとうございます。
橋本木工のHPを、たくさんご覧いただいていることと存じます!
実は今回、A様からは
「橋本木工のHPにある、JK邸のような扉の開き方をする家具を製作してほしい
雰囲気も、JK邸に似ています」
というご依頼を頂いていました。
お部屋全体の色味や、右側にキッチンカウンターがあるところなどが似ていました。
A様が参考にしてくださった、JK邸の壁面収納家具はこちらです。
もう少し見て見たくなった方はこちらをどうぞ → JK邸の製作事例ページはコチラ
A様ご希望の扉は、こちら。(A邸の画像です)
横にスライドするように開きます。
観音開きの扉では何かにぶつかってしまう場合や、
扉を開いた状態で邪魔にならないよう使用したい場合にお勧めです。
A邸も、JK邸も、壁まで伸びたカウンターが、元々備え付けられていました。
カウンターと家具との絡み、橋本木工ではこんな風に仕上げています。
A邸
JK邸
いずれもカウンターは家具のギリギリ手前までしかないように見えますが、
家具の奥、壁際まで伸びています。
さて、A邸壁面収納家具ですが、一番込み入っていたのは 「配線」 でした。
壁の左右にTVの端子、電話線、コンセント等。
元々あったキッチンカウンター中程にはガスの元栓がありました。
その全てを、家具設置後も使用できるよう家具の内部に配線しています。
黄色:スピーカーの配線
水色:AV機器の配線
緑色:家具用コンセントへの配線
赤 :TVの電源と端子への配線
黒 :ガスホースの配線
部屋の反対側でガスストーブを使用されるとのことで、長い距離の配線となりました。
扉を開けると、線という線がごちゃごちゃに絡み合っているかと思いきや・・・
極力収納の邪魔にならない場所に配線をしているため、ほぼ表には出てきていません。
ほとんどは、「巾木(はばき)」と呼ばれる底板と地面の間の空間に配線しています。
では、左下の配線にズームアップします。
元々マンションに備え付けられていたコンセントにTV端子や延長コードを取り付けて、
すぐに巾木の下に配線しています。(ちなみに手前の丸いフタはガス栓の配線口です)
橋本木工では、美容室、クリニック他店舗関係の什器(家具)をご依頼いただくことも
多いため、配線経路に関してはかなりの事例ストックがあるんです!
先程の扉を全て開けた画像では、TV下の扉のみ空いていませんでした。
こちらは、他の扉と異なる開き方のため横の扉が開いているときには
同時に開けることができないのです。
JK邸との共通点でチラッとご紹介しましたが、こんな風に横にスライドして開きます。
収納の後ろ側に、AV機器やTVの配線が通っています。
配線完了後、スッキリとまとまっていますが、今後新しくAV機器などを買い換えた際には
A様ご自身で配線できるよう、家具に細工をしています。
こちらは、TV下収納部分の底板を外した画像です。巾木の下に配線を集約しています。
全ての底板が、A様にも簡単に外せるように細工しています。
また、一番長い配線となったガスホースですが、元栓部分はこんな風になっています。
ズームアップすると・・・
家具の背中側の板(「背板」といいます)、ガスの元栓部分に穴を開けています。
底板部分は、TV下と同様の取り外し可能な底板と、配線口が付いています。
ストーブを使用する時期まで、ガスホースはガス栓に繋がず巾木の中に格納しています。
しつこくなりますが最後にもう1か所、配線でご紹介したい場所があります。
コチラです!
カウンターの上、FAX機能付き電話機への配線です。電話機の奥の扉を開けてみます。
カウンターの下にあった電話線とコンセントは、こんな風に家具内部を通っています。
携帯の充電器なども使用する可能性を考え、複数口の電源タップを設置しています。
この扉内部は、配線のためのみの空間です。めったに開けないとのことで、
電話機を扉に寄せて扉の外に出たコンセントが目立たないようにしています。
配線のためのみのこちらの空間、もっと小さくても問題ないのですが、
隣の扉と高さを合わせるためにデザイン重視でこの大きさになりました。
収納レイアウトはもちろん、内部の配線なども自由に、かつ美しく仕上がるのも
オーダー家具の魅力です!
~オーダー家具設置後にA様から頂いたメールより抜粋~
翌日起きてきて収納を見ても、完成していたので、夢じゃないねと改めて
喜びを分かち合いました。ずっとダイニングの収納に悩んでいたので、
もっと早く注文すれば良かったと思ったくらいです。
あなたは、どんな家具に囲まれて暮らしたいですか?