家具製作あれこれ ~塗装~
家具が完成すると、あとは設置・取付となりますが、その前に・・・
完成した家具に塗装を施す場合があります。
どんな時に塗装を施すのかというと、
その1 キズや汚れの防止、日焼けなどの色褪せ防止。
その2 綺麗に見えるように。好みの色にするため。
塗装は、主に無垢材、集成材、突板などを使用した際に必要となります。
どれも素材のままだと、非常にキズ、汚れ、日焼けに弱いため、保護する目的で塗装を施します。
ちなみに、木によっては、陽の当たる場所にたった30分置いただけで、日陰に置いた同じ材料とはっきり違いが出るほど焼けてしまうものもあります。
ですので、極力陽の当たらない場所で家具の製作をするのはもちろんのこと、完成後も塗装を施すまでは毛布などを被せて日焼けしないよう、大切に、大切に細心の注意を払います。
※天然木は、木材そのものの性質や環境によって塗装をしても半年~数年の間に徐々に日焼けをします。
さて、塗装、塗装と一言に言っておりますが、実は結構種類があります。その中で橋本木工でよくご依頼を受けるのが、
◇ 合成樹脂塗装( ウレタン塗装・セラウッド塗装・エナメル樹脂塗装・UV塗装・メラミン樹脂塗装・アクリル樹脂塗装・水溶性塗装等 )
◇ 自然塗料塗装( オイル塗装(オイルフィニッシュ・オイル仕上げ)・ワニス・漆・柿渋等 )
の2つです。
塗装の種類は他にもいくつかありますが、上記が代表的な家具の塗装になります。
一般的に自然塗料塗装よりも合成樹脂塗装の方がキズ、汚れ、色あせなどに強く、日常生活における普通の使い方であればかなりの年数メンテナンスも必要ありません。
一方自然塗装塗料は、1年に1度くらいメンテナンス(汚れ落としや、塗り直し)が必要なものもあります。
どちらも安全基準を満たしているとはいえ、自然塗料の方がより環境に優しい素材だったりと、それぞれメリット、デメリットがあります。
いずれの場合も、色を付けたり、ツヤを出したりなど、素材そのものの感じにプラスアルファで好みの雰囲気に仕上げることも可能です。
逆に、しっかりと保護しつつも素材そのものの質感を残す塗装方法もあります
ちなみに、天然木ではないメラミンやポリエステル合板の場合、すでに耐水性、耐薬品性、耐摩耗性を備えています。さらに、質感や色柄のバリエーションも豊富なため基本的に塗装は必要ありません。
しかし、稀に塗装をすることもあるんです。
例えば、車のような限りなくメタリックな赤い色を出したい!なんていう時には、メラミン、ポリエステル合板で製作した家具に、カラーウレタン塗装(色付きのウレタン塗装)をすることがあります。
この、メタリックなカラー塗装は、均一に塗装を施すことに非常に高い技術が必要となります。
「本当に木でできてるの!?」
とお客様に驚かれたこともあるんです。
橋本木工が製作した家具では、料理の鉄人で有名な坂井シェフのフランス料理店「ロシェル」(東京都・赤坂店)の内装にて、メタリックな赤の塗装を施しています。
カウンターなども曲線が美しく、とても凝った意匠になっていて一見の価値ありです。
ぜひ機会があれば、素晴らしいお料理と内装を楽しみにお出かけ下さい。